2023.01.07-09 蝶ヶ岳

<メンバー>CLウッチー、SLさくま、SLありさか、わたなべK、ながおか、ぐっちゃん、みつまん(報告)
<概要>徳澤でテント泊して、蝶ヶ岳を往復した。山頂では素晴らしい槍・穂高の稜線を見ることができた。ただ、長塀尾根は長かった。トレースはしっかりしているが、正月明けの鈍った体にはとてつもなく厳しかった。徳沢のテント泊はベテランの皆さんのおかげで楽しく過ごせたが、数時間しか眠れなかった。

写真はみつまんが撮ったものだけでなく、メンバーから送られてきたものも含んでいる。
会員ページにも写真を載せています。

1月7日

<天気>晴れ
<ルート数値>距離12.6km 累積標高+480m, -270m 所要時間 5時間15分(休憩込み)
<行程>釜トンネル南口10:55 – 13:15バスターミナル13:30 – 13:40河童橋14:00 – 14:50明神15:00 – 16:10徳沢

<詳細報告>ウッチーさんが雪山に慣れていない会員の為に計画してくれた雪山山行に参加することにした。先日、湯元小峠で手指の冷えに悩まされたので、どうするか悩んだが、年齢的に最後の機会かと思い参加することにした。
5時に市役所を出発。佐野集合場所で少し待ち時間が発生して6:30頃田沼ICにのる。そこから約4時間で沢渡の第2駐車場に着いた。冬季無料で開放されている駐車場だ。そこでタクシーに乗り替える。道路は雪が少なく快適に15分程で釜トンネル入口に着いた。
そこから歩き始めるが、何といってもテント泊装備で久しぶりの重量(16-17Kg)を担いで10km以上歩かねばならないのが難点だ。トンネル内は薄暗く、一部真暗な場所もあるが、遠くの明かりを目指してランプ無しで歩けた。だが、もし暗闇に障害物・凍結場所があれば危険なのでヘッドランプは使った方が良かったかもしれない。釜トンネルを出て上高地トンネルの入口で一休み。上高地トンネルから大正池までは以前3月に行ったときは複数の雪崩箇所があったが、今回は見られなかった。安心していると私が凍結場所で派手に転倒してしまった。幸運にも打撲だけで済んで、大事にならなくて良かった。

バスターミナルに到着。冬季トイレは左手建物の北側にあった。トイレ休憩後、河童橋へ。まず明神岳の雄姿が飛び込んできて、その左手には岳沢の奥に奥穂高岳が見えた。左後方には焼岳がずんぐりした雄姿を見せていた。梓川の流れは澄んでいた。
明神を目指すとすぐ小さな橋を渡るが、そこでありさかさんがイワナを見つけた。水藻に隠れるように数匹泳いでいたがエサは有るのだろうか。
肩がザックの重みで悲鳴を上げ始めたころに明神に到着。明神岳の威容が素晴らしい。神を感じてしまう。
その先では少し積雪が多くなってくるが、踏み跡はしっかりしていて、歩くのに支障はない。ただ、崖の縁を通るとき、雪が少なくその下が凍結しているので転倒の再現がないように注意して歩いた。左の明神の岩峰、梓川の清流をじっくりと感じながら歩きたいところだが、そんな余裕は私にはない。荷の重みに耐えながら足元を見ながら歩かねばならないのが情けない。踏跡を少し外すとガクっと15cm程沈み込むことがあり、転倒を避けるために踏ん張ると余計に疲労が増してくる。
16時過ぎにやっと徳沢に到着。既に10張ぐらいのテントが張られていた。200張の広いテント場なのだが、すべてトイレ寄りに張られていた。誰しも考えることは同じなのだろう。私たちもトイレ近くに2つのテントを張り、1つを女性用とした。
雪上のテント生活は慣れていないが、私とぐっちゃんさん以外はベテランなので作業はどんどん進む。テント設営ではペグは使わず、張綱を割箸に結んで雪に埋めた。寒さ対策の内張りを張るのには苦労した。止めが穴に上手く入らないのだ。出入口にシャベルを立てておくと出入りの際に取っ手替わりになるという。それは本にも載っていない、経験から生まれた知恵のようだ。
夕食は「ぺミカンのカレーライス」。ながおかさんが手間のかかるぺミカンを作って担いできてくれた。ウッチーさんの腕が冴える炊き立てのご飯にそのカレーをのせると実に美味しかった。
寝る準備に取り掛かる。私は今回雪上の冷え対策としてマットをエアマットにした。少し丈が長くて皆さんには迷惑だったかもしれない。それに冬用の寝袋で、冷えは全く感じなかった。でも、寝られなかった。

1月8日

<天気>晴れ
<ルート数値>距離12.1km 累積標高+1,400m, -1,400m 所要時間 10時間15分(休憩込み)
<行程>徳沢6:05 – 登山口6:10 – 2000m平7:48 – 中間地点標識9:30 – 10:55長塀山11:10 – 妖精の池11:50 – 12:16蝶ヶ岳山頂12:28 – 12:35山頂下12:58 – 妖精の池13:07 – 13:50長塀山14:00 -中間地点標識14:39 – 2000m平15:20 – 16:10登山口 – 16:20徳沢

朝4時に起床。結局、私が眠ったのは3時間ぐらいか。
カルボナーラの朝食を済ませて山行準備。歩き始めに、明神岳方向を見たが、まだモルゲンロートには至らず。途中で見られることを願って歩き始めた。登山口は徳澤園の近くにあった。ヘッドランプを点けて登り始めた。ツボ足でアイゼンも付けず。最初から急登で、特に標高1700m辺りまでは積雪も少なく滑りやすいので慎重に歩を進める。傾斜がきついのでトレースは小刻みにジグを切って登っていく。標高1800m辺りで急遽リーダーが下山することになった。12月に痛めた胸部が悪化したらしい。トランシーバーで連絡を取れるようにした。
振り返ると、樹間にモルゲンロートが見えるが、樹々が邪魔してきれいには見えない。90分登って初めて4-5mの急な下りがあり、その先に平らな場所が少し広がっている。「2000m平」という場所らしい。その上でも何度か急登と傾斜の緩い場所が現れる。標高2320m辺りに徳沢・蝶ヶ岳の中間地点標識がある。「蝶ヶ岳まで3Km」「徳沢まで3Km」と書かれていた。その標識から2踏ん張りでやっと長塀(ながかべ)山に着いた。
途中から手指が冷えると訴えていたぐっちゃんさんはカイロを入れても指には暖かくならないという。ありさかさんからミトンを借りて、指にカイロを当てた。食欲がでないというので、ゼリー飲料・固形ブドウ糖を食べて少し元気を取り戻した。
長塀山からは小さなアップダウンを繰り返しながら少しづつ標高を上げていった。妖精の池は完全に雪に覆われて小さな窪地のようだった。その西を少し登ると樹林帯をでて、山頂直下の大きな窪地に出た。トレースは窪地の両側についているが、私たちは東側を登った。雪に完全に覆われていないハイマツを踏みつけて登ると稜線にでた。槍・穂高の稜線が眼前に広がっている。すばらしい光景だ。

穂高を見ながら下山開始

山頂に到着。他に数組のパーティがいたので、集合写真のシャッターをお願いした。しばらく、雪稜景色に見入る。予報では15m以上の強風の筈なのだが、有難いことに大外れで、数メートルの弱風のみ。それでも寒いので少し下ったところで大休止した。
 休憩後は一気に下山した。ぐっちゃんさんも指の冷えは改善したという。長塀山からの下りでは、一部尻セードを楽しみながら一気に下った。徳沢直前の雪の少ない傾斜地もアイゼンなしで下ることができた。
結局、登りは約6時間、下りは約3時間半の雪山山行だった。
下山すると、リーダーがテントを温めて、湯を沸かして待っていてくれた。リーダーはゆっくりと休みながらでも、昼前には下山したらしい。
夕食は中華丼だった。炊飯した白米に、フリーズドライの中華丼あんかけをのせた。

1月9日

<天気>晴れ
<ルート数値>距離12.6km 累積標高+270m, -480m 所要時間 4時間15分(休憩込み)
<行程>徳沢6:50 – 7:50明神8:03 -8:55河童橋9:08 – 10:00大正池ホテル10:20 – 11:05釜トンネル南口

<報告>
朝4時起床。私は、疲れているのですぐ眠れると思っていたが、前日同様数時間しか眠れなかった。朝のトイレは昨日は混んでいたが、今日は待ち無し快便でスッキリできた。撤退作業開始。作業中に西を見上げると明神岳のモルゲンロートが鮮やかに見えた。おまけにその上に満月まで見えるのだから見事だ。しかし、写真に撮る前に月は沈み、朝焼けも色が薄くなってしまった。共同装備をそれぞれに振り分けて7時前に歩き始めた。
歩き始めは快調だったが、次第に肩が痛くなる。ひたすら我慢して、足元を見て歩くのみ。
河童橋では一昨日よりもきれいに山を見ることができた。焼岳から噴煙が上がっているのが見えた。大正池トイレ近くで小休止する。そこからリーダーが予約しているタクシー会社に到着時刻を連絡した。電波が通ずるのは有難い。小休止後、最後のピッチに入る。その先で、右岸に渡る橋がある場所からは除雪されている。一昨日に転倒したのも除雪箇所だった。小股で少し姿勢を低くして慎重に歩いた。釜トンネルの暗闇は肩の痛みをこらえながら「これが最後、これで最後」と念じながら歩いた。
無事、釜トンネルを出た。タクシーが待っていた。
下山後は、竜島温泉で汗を流して帰路についた。17時前に佐野に帰着。私の帰宅は18時前だった。

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