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栃木県内の山岳事故事例(三峰山)についての検証

私(「いけざわ」)の実家の前の山・永野三峰山でH16/1/17遭難がおきました。身近な山ながら、意外に危険がひそんでいることもあり、今後のお役にたてばと思い調査した結果です、ご活用ください。
  2004.1.18朝日新聞[栃木版]
---登山道から転落 夫が重体 妻けが 粟野・三峰山---

17日午後4時過ぎ、粟野町下永野の三峰山で、登山中の男性(57)と妻(52)が遭難したと、携帯電話から110番通報があった。
2人は午後7時半ごろ捜索隊に発見されたが、男性は意識不明の重体。奥さんも全身打撲の大けがをした。
鹿沼署と消防によると、2人は同日午後0時半ごろから山に入り、約1時間後に山頂近くの登山道から約50b下に転落したらしい。


  2004.1.19朝日新聞[栃木版]
  ---三峰山登山滑落重体の男性死亡---

粟野町下永野の三峰山で17日、登山中に滑落して意識不明の重体となっていた男性(57)は、頭を強く打っており死亡が確認された。


三峰山には登山案内図はなく、栃木の山100  栃木の山120 などのコース案内の概念図があるのみです。(三峰大神が地形図の剣ケ峰H181mとなっており、地形図上の下山ルートは八坂分岐となっている)

三峰山は信仰の山で、三山参道は修験者の修行の参道です。
従って現地案内標識は神々を祭る場所を案内して、御嶽山神社で付けたもので、登山者は参道を登山道として拝借しています。

安易なハイキングの周遊コースではないとの登山者の自覚を要します。経験の少ない登山者が滑りやすい急峻な道へ迷い込まない様にしたいものです。
以上のことから、小生の実家近くの出来事であり、山を志しているものとして見過ごす事が出来ず、1月はGPSを抱えて、2〜3回三峰山に登り登山地図を完成させ下記に掲載ました。若干見づらいですが参考になれば幸いです。

尚、現地標識はこれからアクションを考えています。
              
                     ↓        
現地標識設置についての最終報告
H16.2.21  1/17滑落事故の関連対策として分岐標識板を5箇所に設置。登山地図、登山案内に続いて、現地の危険個所の回避道を標識板に。

H16.2.28  方向表示板10箇所と山頂表示板を2箇所に設置。危険箇所を避ける為迷い込み防止用方向表示を設置し安全対策完了しました。   
                                          以上   
 

        <注> プリントする場合、A4 横が合います。

粟野町・永野三峰山(登山案内)

<御嶽山神社→御嶽大神・岩戸→奥ノ院(1.5時間)→剣ケ峰→権現山→三角点(1.5時間)
 →浅間大神洞→林道終り→御嶽山神社(1.0時間) 全工程歩行・約4時間>


三峰山は御嶽山(三笠山・烏帽子岳)・剣ケ峰・権現山・三角点三峰山・朝日岳を総称した山域で、粟野町・栃木市・葛生町飛地にまたがっている。
粟野町下永野側には三山参道という修験者の修行の参道が付いており、永野御嶽神社によって神々を奉る場所への案内板が付いている。
急峻な修験参道なので、気楽なハイキングのできる周遊コースではなく、登山者は滑落防止に充分なる注意が必要である。
尚、稜線の反対側は石灰岩採掘場となっており立入禁止である。

セツブンソウ自生地やカタクリの里に近い星野バス停(御嶽山入口)から蔵本橋を渡り、徒歩10分で御嶽山神社に着く。
駐車場とトイレの借用をお願いできる。神社本殿に参拝し拝殿脇を登り祖霊殿の左手の参道を登る。
沢沿いに登ると清滝の修行場があり、更に登ると普寛堂から急勾配の石段が延びている。御嶽大神の御岩戸がありベンチで一休みできる。

左手の阿留摩那山・三笠山への修行参道は滑り易いので、初心者は避けること。

右手に回り込むと眼下に永野集落が広がり、日光連山や足尾の山々を見渡すことが出来る。暗がり杉道の三笠山分岐を西へ進み峰筋に登り奥ノ院へ回り込む。
三尊立像(神皇産霊尊・天之御中主尊・高皇産霊尊)があり展望の良い休憩所となっている。

奥ノ院分岐から尾根筋を西へ回り込んで南へ進むと、石灰岩採掘場の立入禁止のトラロープは現れ、三山参道は剣ケ峰(H580m)のピークを巻いて急坂を下る。鞍部からは八坂大神洞へ参拝できるが、ここは直進して権現山(H590m)へ登る。


雑木林の権現山分岐からクサリ道を三峰大神洞へ降りる修行参道は滑りやすいので、初心者は避けること。

権現山分岐を南へ進み三角点分岐へ下る。 ここから南へ踏み跡の藪道を登ると、三等三角点(5439-54-4901 605.02m)へ行く事が出来て、表日光連山や、視界が良ければ富士山も見える絶好の展望所である。三角点分岐から急坂を降りると倶利伽羅不動である

ここから三峰大神洞を通って、クサリ道を権現山へ登る滑り易い修行参道は、初心者には薦められない)

杉の中の坂を下ると浅間大神洞に着く(鍾乳洞の洞穴入口は施錠されており、入洞には御嶽山神社の許可が必要)。
更に下ると林道終に出る。林道を下って山ノ神から永野御嶽山神社に戻る。
  <注> プリントする場合、A4 横が合います。
永野三峰山・三山参道の詳細説明(歩行 約4時間)

A永野御嶽山神社から C清滝不動→ F御嶽大神→ I奥の院へ登る阿留摩那山&三笠山経由は避けることが賢明) I奥の院→ J剣ケ峰→ K権現山は稜線歩きとなる。  K権現山→ L分岐を通って M三峰山三角点へ行くことが出来るが、 L←→Mの往復は踏み跡の藪道である。
Lから N倶利伽羅不動に下って O浅間大神洞を通って A御嶽山神社に戻る(K権現山から鎖道を下って三峰大神を通り 
N倶利伽羅不動へのコースは避けることが賢明) 御嶽急峻500mゾーン及び三峰急峻500mゾーンの範囲は滑り易い坂面なので、滑落防止に充分なる注意が必要
 04.01.28 小山山岳会会員 「いけざわ」記 (ikezawa@fine.ocn.jp )


詳細図