スイス山行報告   記:「atsushi」
日程:2016年09月20日(火)〜09月23日(金)
<メンバー> 「atsushi」
国:スイス 山域:ヴァリス山群 ツエルマット(Zermatt)、ベルナー・オーバーラント山群 グリンデワルト(Grindelwald)
スイスの時差:日本との時差 -7時間(サマータイム)、通貨:1スイスフラン(CHF)=105円スイス・ドイツ・フランスの旅、主にスイスハイキングについて書きます。今後、行く人の参考になれば幸いです。

●山行報告 その1<Fluealp(フルアルプ)>
日程:2016年09月20日(火)〜09月21日(水)天候:20日晴れのちくもり 21日雪
行動時間: 9/20 14:00ツェルマット −(山岳交通)− 14:40 Rothorn 14:55 − 16:02fluealp16:20  − 16:45Fluealp hute(宿泊)9/21  8:10Fluealp hute − 8:46 Blauherd −(山岳交通)− 9:10 Zermatt

日本を出たのが18日、スイスへ入ったのが20日。たった2日ですがここに来るまでいろいろありましたが、それは、また別の時にでも。スイスはチューリッヒからツェルマットへ列車で向かう。途中のフィスプで列車を乗り換える。乗り換えた列車は景色が見やすいように大きなガラスである。やはり有名観光地、車内には日本人もちらほら。列車が谷の奥に進み高度を上げるにつれ、雪をかぶった高山が目に入ってくる。気分が上がる。1時間かけてツエルマットに到着。
マッターホルンが見えるか?すぐに駅から出て空を見上げる。そこに、マッターホルンがのぞき込んでいます。それを見ると、遂に来たんだという気持ちがわき上がってきます。山の上に登り近くで見てみたい、急いで山小屋に電話し予約、駅前のスーパーで水や行動食を買い込みパッキング。ハイキングに必要のない荷物は、駅のロッカー(スーツケースくらいは入る大きさです8CHF)に。

観光案内所で2万5千分の1の地図(25CHF)を入手。オーバーロートホルン(Oberrothorn 3415m)に登るためケーブルカーでスネガSunnegga、ゴンドラでブラウヘルトblauherd、ロープウェーでRothornへ。(22CHF)しかし、オーバーロートホルン(Oberrothorn 3415m)は、白く雪をかぶっている。初めてのスイスハイキングであり行動時間を考えると無理をしないように中止。そのかわり、Fluealpを目指すことにする。天気も下り坂ですっかり曇ってしまいマッターホルンも見えません。はじめてのスイスハイキング、ちょっと不安の中、歩き始めます。ただ、道標はしっかりしている。草紅葉の始まった斜面をゆったりと歩きながら降りる。すると遠くに今夜の山小屋Fluealp huteが見えてきた。りっぱな山小屋だ。途中、山小屋に向かわず、谷を詰め、Fluealpに向かう。氷河が間近に見られるということを聞いていたが、結構遠くにある。温暖化の影響か。それでも、初めて見る氷河に圧倒される。日本では見られない光景だ。

Fluealpから先のコースは、アルピニストの世界。標識には4カ国語で注意が書かれている。スイスらしい。雄大な氷河をみながら、スイスチョコを食べ休憩。谷に広がる草紅葉が美しい。時間いっぱいまで景色を楽しむ。山小屋に戻りチェックイン。今夜はドミトリー(79CHF)。しかし、ドミトリーは自分ひとり。貸し切りです。一番りっぱなベッドを使う。そして、楽しみの夕食。なんとコース仕立てです。スープ、サラダ、トラウトのグリルとレシュティ、チェリーパイ。まさか山小屋でこんな料理が食べられるなんて。ワインをお供におなかいっぱい。とてもおいしかった。明日の天気予報が悪い中、悪かったらベルンに行って観光しようかと考えながらベッドで就寝。(ベルンは世界遺産の街)

スイス2日目、翌朝、外を見ると。真白。雪景色となってました。早々と下山を決める。とりあえず腹ごしらえ。朝食はパンとチーズやジャム。自分でつくる半熟卵がおいしかった。雪が舞う中、宿を出発。すっかり昨日と変わった景色の中を下山。blauherdからゴンドラに乗ってツエルマットまで(15CHF)。天気が悪かったので、ベルンに行き街歩きをしようかと思ったが、明日から天気が回復しそうなので、ツェルマットに戻ろうと決める。それと同宿のスイス人から山岳ホテルシュバリゼー「Schwarzsee」に止まれると聞いたからだ。シュバリゼーからは、マッターホルンが目の前に見える。ただ、ベルンに行ってから戻る時間を考えると、ベルンにほとんど滞在できない。そうだ、ワインを買いに行こう。このヴァリス地方、ワインの産地、トラベルパスを利用すれば自由に鉄道に乗れる。日本ではほとんど買えないスイスワインをもとめて出発・・・また、戻ってくるぜツエルマット。

●山行報告 その2<Hornli hut(ヘルンリ小屋)>
日程:2016年09月21日(火)〜09月22日(水)
天候:21日くもりときどき雨 22日晴れ
行動時間
21日 15:15 Zermatt,Matterhorn Talstation −(山岳交通)− 16:02 Furi 16:13 −(山岳交通)− 16:23 シュバルツゼー(Schwarzsee)16:35 − 17:30ヘルンリ小屋途中の稜線 − 18:08 Schwarzsee22日 9:10 Schwarzsee  − 10:22 Furi −(山岳交通)− 10:32 Zermatt,Matterhorn Talstation

ワインを手に入れ、再びツェルマットに戻ってきた。ワインを手に入れるのもいろいろあったけど、話はツエルマット到着から。メインザックはロッカーに預けてあるので、そのままワインをザックに入れ、シュバリゼーSchwarzseeにあがるゴンドラの駅まで歩く、途中でマッターホルン博物館を見学。有名な切れたザイルを見る。細いなー。他にもマッターホルンの映像を上映していたり、もっとゆっくりしたいけど、Schwarzseeにあがるゴンドラの終電も近いので、はやばやと退館。

ゴンドラに乗って、途中のFuri村で乗り換えて標高を上げます。天気がわるいので、展望は良くないが、ツエルマットの村はよく見えます。ゴンドラを降りた所に今夜の宿「Hotel Restaurant Schwarzsee」(個室127.5CHF、ワイン代入ってます)があります。ここは、山小屋というより山岳ホテル。シャワーが使えます。自分の部屋は、ツェルマット側だった。反対側の部屋はマッターホルンビューだったので泊まりたかったが残念。夕飯まで2時間あるので、周辺を歩くことに。とりあえず、マッターホルンは雲の中だが、ヘルンリ小屋までの道を歩いてみようと思い、歩き始めます。標高が上がると雪が目立ちます。こんなところを歩いているのは自分だけ。

稜線にあがると雪が根雪に。アイゼンも持っていないし、時間切れでもときた道を戻る。宿の前で、前日の宿で一緒だったスイス人と再会。夕食を一緒にとる。彼女スーパーアウトドアウーマンです。北欧でシーカヤック、パリまでサイクリング、エジプトでダイビング。彼女の話を聞いていると、いろいろやりたいことが出てくる。スイス人の休暇の取り方もうらやましい。2週間ゆっくりと休暇を楽しんでる。さらに、ゴルナーグラートにあるチョコのマッターホルンを作っているという、見てみたいが、今回は歩きメインで考えているので次回の楽しみに。

夕食は、ここもメニュー仕立て。モッツァレラチーズのサラダ、目玉焼きとハムのレシュティ、チョコアイス。おいしい。ボリュームもあるので、お腹いっぱい。当然ワインを頼む。味見して決めていいよとのこと。2種類飲んで、好みを伝える。なんていい習慣なんでしょう。日本の山小屋も日本酒の味見させてくれないかな。明日の天気が良くなることと、明日の予定を考えながら眠りに落ちる。翌朝、夜明け前に目が覚める、一面の星空。ツエルマットの夜景がきれいだ。反対側はどうだ。やったー、暗闇に映えるマッターホルンは怖いくらいに目の前にそびえ立っていた。

ここからは、とにかく写真をとりまくり、やがて夜明け。モルゲンロートのマッターホルン。最高!!!ツェルマットでこのままハイキングしたいが、やはりアイガーも見てみたい。旅に出る前は、別にグリンデルワルト行かなくてもいいと思っていたが、スイスを旅してやっぱり見たくなりました。まずは、腹ごしらえ朝食はバイキング、ハムがうまい。最高の景気を見ながらの食事はうまい。パッキングをして出発、心が残りながらも一気に下山。ツエルマットの村、森、雪をかぶった山、青空、すべてが美しい。美しいときは一瞬だ。Furi村に到着、ツェルマットまでゴンドラ(5.5CHF)で降り荷物をまとめて、電車に飛び乗り、グリンデルワルトに移動。電車の中でピックアップしたメインザックと併せてパッキング、生ハムピッツァとビールがうまい。


●山行報告 その3<Faulhorn(ファイルホルン山>
日程:2016年09月22日(木)〜09月23日(金)   天候:22日晴れのち雲の中 23日晴れ
ファウルホルン山の標高:2681m
行動時間:
22日 15:25 Grindelwald − 15:47 First 15:57 − 16:39 Bachalpsee 16:44 − 17:55 Faulhorn23日  8:00 Faulhorn − 8:55 Berghutte − 10:58 Schynige Platteアイガー、 メンヒ、 ユングフラウ
ツェルマットから出た電車をフィスプで乗り換え、グリンデルワルトまでは、3時間くらい。メインザックのデポを考える、今度の山行は駅から駅への縦走になるため、グリンデルワルトに荷物はおけない。そのため、途中のインターラーケンオストにあずけることにする。ただ、オストの乗り換え時間は10分もない。はじめての駅、ロッカーが見つからない、走る。ロッカー(7CHF)を見つけ入れ、次の列車にとびのる。今度の列車はローカル列車。山々がまじかに見えて気持ちいい。山を見ているとグリンデルワルトに到着。アイガーに圧倒される。

まずは、グリンデルワルトの地図を探す。しかし、歩行時間入りの地図を探すが見つからない。ゆっくりしている時間もないので、スーパーでベルナー・オーバーラント地方の大きい地図(26.9CHF)を購入。グリンデルワルトの地図もあったが、縦走するので、より大きな地図を選んだ。ちょっと歩くと、ここにもモンベルがあった。日本人の店員がいるから山の道具購入もできるだろう。その店員も日本のような時間が入った地図はみたことないと言っていた。観光ガイドの地図に、時間が載っているから、それで時間を見て、地図で正確な位置をつかんだ。グリンデルワルトの街をあるきながらゴンドラの駅を目指す。本当は、もう少し街歩きをしたかったが、山小屋に夕食までには着きたいのでゆっくりもしていられない。街の雰囲気としては、ツェルマットが小さな路地が組み合わさり村といったところ、グリンデルワルトはバスも通り、もうちょっと開放的な感じがする。

ゴンドラを使いフィルストFirstにあがると、ベルナーオーバランドの名だたる山が一望にでき、谷をはさんでアイガーがよく見える。マッターホルンの孤高さと違い、ドッシリとした北壁が重厚に感じる。このアイガーを左手に見ながら歩く。天気も良く、日本ではない光景がどこまでも続く。気分上々。狐も出迎えてくれた。ゴンドラの最終便が近づくにつれすれ違う人も少なくなってきた。自分ひとり、スイスの山をあるく。気持ちいー。バッハルゼー(池)まで来ると、雲が出てきた。山々を見ながら、休憩。ここからは多少の登り、少しづつ高度をかせぎファウルホルン山頂の手前まで来たが、展望はきかない。

そして、その山頂には、今日のファウルホルン小屋が見える。大きな山小屋だ。雲の中の小屋に到着。とりあえずチェックイン。感じのいい、おばさんに迎えられた。すでに食事を初めている人もいた。少し休んでから食事とする。小屋は日本の山小屋に近い感じです。夕食はアラカルト、カレースープとソーセージ。デザートにアップルパイを食べました。本当はとなりの人が食べてるフォンデュが食べたかった・・・が2人前からだったので頼めませんでした。(この後、ベルンでジビエを食べそこねてフォンドュを食べる。ワインと合い、たいへんおいしく満足)夕飯途中で、雲が切れアイガーが目の前に見える。絶景です。しかし、そんな幸せも長くは続かず、やがて雲の中に。連日の疲れか、食事をしながら眠りそうになる。

就寝しようと朝食の時間を聞くと8時とのこと。早く出発するため、支払いをすませた。(素泊まり49CHF、食事42CHF)朝、ご来光が見たかったが、雲の中。残念、あきらめてパッキングをしていると夜があけてきた。出発しようと外に出ると雲が晴れて景色が見えてきた。しばし景色を堪能。少しおくれて出発。アイガー、ユングフラウ、メンヒが見えてきた。気持ちいい天気の中を進む。気持ちの良い稜線を歩く。絶景が続く。パーフェクトタイム!!!、やがて鞍部に建つベルグハウス メンドレンネン ヴェーバーヒュッテ(Berghaus Manndlenen- Weberhutte)小屋が見えてきた。まだ、朝早いので登山者は誰もいない。その脇を過ぎるとトリカブトの群生があった。大きな岩がごろごろとした中を歩いていく、やがてUの字に削られた急斜面をトラバースするルートにでる。足どりも軽く進んでいくと、はるか先を鹿の親子3頭が急斜面を駆け上がっていく。この地形を過ぎ尾根を超えたところで、遠くにゴールのシーニゲプラッテ(Schynige platte)が見える。この縦走ももうすぐ終わりと感じ、この楽しさをかみしめる。

草原の斜面に牛が放牧されている。いい風景だ。しかし、近づいてみると牛に道をふさがれ通れない。ストックを使い斜面を登り迂回、気をつけないとあちこちに糞がある。牛に注意しつつ進むと、登りの登山者にすれ違う、ゴールが近いのだ。牧歌的な風景の中、シーニゲプラッテに到着。ここからはレトロな山岳列車(スイストラベルパス有効)を利用して麓の村まで下山。1回目、2回目の山行は不完全燃焼なので、今回の縦走は大満足。ここからは山岳地帯に別れを告げて、ベルン旧市街に。ベルンではアルプス博物館に寄ったが、イベントのため、企画展しか見られず。残念。企画展の内容はアルプスの山菜と料理、山菜は日本にもありそうなものもあった。

●総括:
4日間という短い期間だが、時間を最大限利用して楽しんだ。スイスのハイキングルートの標識は、統一されていて、非常にわかりやすかった。ただ、山岳地帯を楽しむなら天気が良いときがいい、それを考えるとスイスを旅するなら自由のきく個人旅行がよいだろう。日本にない山の雰囲気があり、アルピニストのコースにも行ってみたい。次は会の遠征で行ってみたいものだ。

●情報
・スイスの交通:スイストラベルパス4日間(251CHF)を利用。スイスの国鉄、船、バスなど乗り放題になり、博物館や美術館も無料になるミュージアムパスにもなる。一部山岳交通(登山鉄道、ケーブルカー、ロープウェア、ゴンドラなど)は割引。今回の山岳交通は基本的に半額でした。・山の装備:装備は日本の3000m級の秋山装備。(9月は雪降ります。)靴はゴアテックスの軽登山靴。アイゼンは装着できないので持っていきませんでした。スイス人は、重登山靴。・ホテルや山小屋:すべて当日に問い合わせをして予約しました。なので、飛び込みで泊まれるかは不明だが、ベッドまたはベッドのようになっているので、詰め込まれることはなさそうだ。ワインが安くおいしい、数種類のワインを扱っていて、好みを聞かれました。日本のように早立ちする人はいなかった。

今回の宿は、また泊まりたいです。食事の量は、どれも多っかたです。・言葉:Zermatt,Ggrindelwald はドイツ語圏、基本的な英語は通じます。・物価:いままでいろんな国を旅しましたが、高いです。特に外食すると高い。その分、お酒が安く思えた。(コーラとビールが同じ値段で同じ棚に。もちろんビールを手に取るよね)。登山用ガス缶は、モンベルで8フランくらいで売ってました。日本に比べれば高いです。ドイツの方が少し安かったです。・ドイツで免税:アウトドア用品のデパートで、免税を利用してお買い物。本とアウトドア用品は税率が違うが、1割以上は戻ってきました。デパートは楽しくて1日は居れる。・アルプスの地図と本:ツエルマットとグリンデルワルトの2万5千分の一の地図を購入。ドイツでアルプスの本(ドイツ語)を購入。読めなくても見ているだけで楽しいです。次回、スイスに行くときの情報に。