12/27(晴) 年末の混雑した町を抜け高速に乗る。小山では先日の雪が残るため、さぞ多いかと思いきや稲子湯では意外に少ない。
唐沢橋のゲート付近に設営、星空に包まれ冷えた夜を例によって酒宴をもうけた。
12/28(快晴) シャクナゲ尾根を登る。雪は少ない、10〜20センチでラッセルは殆どなし、かすかに残るトレースをたどるが意外と時間がかかる、夏時間の倍近くかかっている。
20k前後の重さで、慣れていないl事と年齢的条件を考えれば仕方ないのか。白樺尾根合流点から樹林帯の緩やかな下りを行くと白駒池だ。高見石小屋まではあとひとふん張り、疲れを感じながら程なく小屋に着く。
高見石の岩場で展望を楽しみ、小屋前に設営。芯の抜けない米に苦労しつつ、ブランデーと
'85年製梅酒に酔い早い眠りについた。
12/29(晴のち曇り) 中山へは緩やか登りだ。樹林帯の中、トレースに従い夏路と変らぬ状況にこれが冬かと思うほど気が抜ける。天狗へ近くなるにつれ人が多くなり入山のしやすさがうかがえる。
アイゼンを着け、東天狗山頂に立つ頃から、空模様がおかしい、視界は利くが雲行きがあやしい。根石への岩稜を下る頃より風が強くなってきた。鞍部には強風のため雪が付いていない。耐風姿勢をとりながら進むので疲れる、ようやく箕冠山に着きホットする。
強い風を考慮しオーレン小屋への予定を変更、夏沢峠へ下った。ヒュッテ側の雪をならし設営、明日の天気状況で硫黄岳へのピストンを決めることにし、半分残したブランデーと梅酒にほんのり酔いがまわり風のざわめきを聞きながら眠りについた。
12/30(ガス、曇りのち晴れ) いよいよ最終日だ。明け方の風は昨日ほどではない。サブザックに代え硫黄への登りを行く。かすかなトレースを探しながら、樹林帯から岩稜へ、視界が悪いので、ところどころのケルンを探しながらルートを決める。
1ピッチで硫黄岳に着き、記念撮影後ガスで視界の無い山頂を後にした。帰り道は迷うこと無く簡単にヒュッテに到着。天幕を撤収し下山を開始した。
本沢温泉に着くと、硫黄岳の爆裂火口壁がガスの合間で天空にそびえている。予定の横岳には行けなかったが、硫黄岳に立てたので悔いは残らない。
雪が途切れ途切れになった長い林道を下る、冬合宿もフィナーレだ。3日間の山行は風が強く予定を変更したものの、比較的恵まれた天候でほぼ目的を達成、冬山初体験のメンバーには若干、きつい場面もあったかもしれないが、雪も深くなく、乾いたパウダースノーで快適に過ごせた。強風は冬山をなめてはいかんとの山の神の警鐘であろう。 |